【作品解説】ラオコーン

ラオコーン

西洋美術における造形原理の根幹である古代ギリシア・ローマの彫像、

そしてその傑作「ラオコーン」。

ラオコーン像は1506年のルネサンス期に、

かつてローマ皇帝ネロの大宮殿であったドムス・アウレアの近くから発掘され、

ミケランジェロに多大な影響を与えました。

発掘されたときには、右腕は損壊しており、

芸術家たちの間で、もともとどのような形であったか議論が重ねられ、

ミケランジェロは背中に向けて曲がっていたのではないかと考えましたが、

結局、腕は高く突き上げた形で修復されました。

しかしその後、右腕の彫刻の破片が発見され腕は曲がっていたと鑑定されました。

現在は右腕は曲げた形で修復されています。

作者はロドス島出身のアゲサンドロス、アテノドロス、ポリュドロスの三人とされ、

ギリシア神話のひとつの情景を彫刻にしました。

この彫像はオリジナルなのか模倣(ローマン・コピー)なのかは未だ判明していません。