【作品解説】ゴッホ「火のついた煙草をくわえた骸骨」

ゴッホ「火のついた煙草をくわえた骸骨」

今回はみんな大好き、ゴッホ。

ということで、ゴッホ自体の解説は省略します。

この「Skull of a Skeleton with Burning Cigarette」は

骸骨が煙草をくわえている実にファンキーな作品ですが、

この煙草が非常に重要になります。

ゴッホは大の愛煙家として知られますが、

度重なる挫折等による心の傷を癒す最大の慰めが、

青空や苔、草を眺めながらパイプをくゆらすことでした。

ゴッホにとってパイプ(煙草)は単なる嗜好品以上の特別なものでした。

実際、彼の40点近くに及ぶ自画像には度々パイプをくわえた姿が描かれています。

また自画像(肖像画)のように描かれた「ゴッホの椅子」と「ゴーギャンの椅子」には

ゴーギャンの椅子には火のともったローソクと本が、

そしてゴッホの椅子にはここでもパイプが描かれています。

この作品は骸骨が煙草をくわえていますが、

その姿はゴッホが自画像として描いたものなのかもしれません。