【作品解説】ゴッホ「夜のカフェ」

ゴッホ「夜のカフェ」

みんな大好き、ゴッホ。

ということで今回も、ゴッホ自体の解説は省略します。

この「夜のカフェ」はアルルで描いたもう一つの有名なカフェの作品、

「夜のカフェテラス」とは趣が異なります。

「夜のカフェテラス」は街の中心にあるフォーラム広場のカフェを描いています。

こちらの作品はアルルの「黄色い家」の準備が整うまで宿泊していた

ジヌー夫妻の経営するカフェ「カフェ・ド・ラ・ガール」です。

そこは夜になると労働者や娼婦、行き場のない連中の吹き溜まりになる場所で、

ゴッホ曰く「人が自分自身を破滅させ、狂気に陥り、犯罪を犯しかねない場所」でした。

この作品ではそこにある「闇の力」のようなものを表現しようとしました。

赤と緑という補色の強烈な対比や極端な遠近法等を駆使して、

「人間の恐ろしい情念」を表現しました。