【作品解説】ジョット「キリスト十字架像」
ジョットは中世のゴシック美術の画家、
または初期ルネサンスの画家と位置付けられることもあります。
レオナルド・ダ・ヴィンチの圧倒的な知名度と比べると、
美術好きな人以外は「聞いたことある」くらいの感覚だと思いますが、
レオナルド・ダ・ヴィンチに匹敵する最重要人物です。
ジョットとレオナルド・ダ・ヴィンチの関係は
セザンヌがいたからピカソ(キュビスム)がうまれた関係に似ています。
ジョットは神の国の物語を現実的な空間表現、身体表現、感情表現で描き、
やがてレオナルド・ダ・ヴィンチらが西洋美術の規範となる
三次元的な空間を二次元上に再現する立体表現と
調和のとれた人間の身体表現を築きました。
この「キリスト十字架像」は
マラテスティアーノ教会にあるもので、
明確にジョットのものであるとされる数少ない作品のひとつです。